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非常に珍しい!ドルドン(原始クジラ)の奥歯の化石/【ot876】
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今回は、非常に珍しいドルドンの奥歯の歯化石をご紹介します。ドルドンといえば、新生代を代表する海の支配者、バシロサウルス科の生物としてよく知られています。名前の意味(槍のような歯)の通り、鋭い歯化石を持っており、現世のシャチを一回り大きくしたような巨大な水棲哺乳類でした。
この特徴的な歯化石の形を御覧ください。ドルドンは前時代の海の覇者であるモササウルスと多くの点で共通点がありますが、異歯性を持っているという点で大きく違います。異歯性とは、文字通り、一個体で、部位によって歯の形が違うことを言いますが、爬虫類にはあまり見られない特徴です。哺乳類であるドルドンとモササウルスのグループの決定的な違いの一つと言えるでしょう。
大きな歯根。歯茎の中に埋まっていた部分です。
異歯性の話題に戻りますと、ドルドンの歯化石は、前歯、ミドルセクション、奥歯によって形が異なります。このあたりは、このページの下部にある、リンク「コラム:新生代の海の支配者、バシロサウルス科(古代クジラ)の生物は、前時代の支配者と何がちがうのか?」に詳しく書いておりますので、よろしければ、リンクをクリックして、コラムをお読みいただければと思います。
さて、本標本は、欠損した部分がない、非常に良質の標本です。また形から奥歯と考えられます。奥歯は余り見かけることがないレアな部位です。
ミドルセクションの歯化石とやや形が似ていますが、ギザギザの鋸状の部分の方向性や形が異なっています。
100円玉との比較。長い辺に沿って10cm近くある非常に大きな歯化石です。欠損がなく、保存状態も大変良好です。古代の恐ろしい原始クジラの非常に良質の歯化石です。前歯といっしょにコレクションすれば、異歯性を楽しむことができます。
商品スペック
商品ID | ot876 |
---|---|
年代 | 新生代(6600万年前 -- 現在) |
学名 | 非常に珍しい!ドルドン(原始クジラ)の奥歯の化石 |
産地 | Morocco |
サイズ | 長い辺に沿って9.8cm |
商品解説 | 非常に珍しいドルドン(原始クジラ)の奥歯の化石 |
バシロサウルスとは?
バシロサウルスは、現在からおよそ4千万年前に実在していた原始的なクジラである(現在は絶滅)。
現世のクジラとは明らかに異なる体躯を持っている。すなわち、蛇のような長い体に、モササウルスのような恐ろしい顔つき、鋭い歯。
事実、当時の食物連鎖の頂点に君臨していた、海のハンターであった。
古代クジラの最大の種であり、成体では最大18mに達したとされる。
遠洋能力は低く、主に浅海に生息していたとされる。
現世のクジラとは異なり、脳の容積は小さく、社会性を有してはいなかったと考えられる。
中生代の捕食者モササウルスのような長いあごを持ち、鋭い歯を何本を持っていた。
バシロサウルスの名称は、王様のトカゲの意味を持っているが、実際にはトカゲではなく、哺乳類である。これは、化石の発見当時は、モササウルスのような爬虫類であると考えられた名残である。
バシロサウルスの最大の特徴の一つ、異歯性とは?
このように多くの共通点を持つ両者ですが、バシロサウルス科にしかない特徴があります。
それは異歯性(いばせい)です。
異歯性とは、文字通り、一個体の生物において、異なった形の歯を持っていること、を言います。
そんなに珍しいことなのか?
と思うかもしれません。
結論からいうと、ありそうで無い、かなり珍しいことなのです。
下のイラストはバシロサウルス科の生物の下顎のシルエットです。
前歯、ミドルセクションの歯、奥歯によって、歯の形が異なることがお分かりでしょうか?
前歯は、比較的直線的で、ギザギザした(鋸の歯)部分がありません。
一方で、ミドルセクションの歯は、ギザギザしており、かつ三角状のおにぎりのような形をしています。
奥歯は、ギザギザしており、かつ三角ではなく、一方向に向いた独特の形をしています。
繰り返しになりますが、このように、一つの生物でも、違う形をした歯を持っていることを「異歯性」と言い、バシロサウルス科の生物はその典型と言えます。
このような特徴は爬虫類ではあまり観察されません。
コラム:「新生代の海の支配者、バシロサウルス科(古代クジラ)の生物は、前時代の支配者と何がちがうのか?」も合わせてお読みください。